先日の3月11日、アイズでも地震の話を子どもたちにしました。
一年に一度、震災の日がやって来るたびに、思い出し、立ち止まって、色々なことを考えます。
4月から高校2年生になる息子は、今から1年半前の中3の夏休みに市が主催する青少年事業で、気仙沼の大島へ行きました。
思春期と受験が重なり、精神的に弱くなっていた息子。私たち親に対しても、かなりの反抗がありました。
そんな時に訪れた震災後の大島。
帰ってきたとき当時の息子はこんな事を言っていました。
被災地はホントにすごい衝撃的でした。
まだ仮設のコンビニや壊れた学校などがありました。
自分を変える良いきっかけになればいいと思います。
ありがちな言葉ですが、息子なりに目の前に映る現実を受け止めていたようでした。
震災から5年。5年しか?5年も?
感じ方はそれぞれでしょう。
私たちは残念ながら毎日、震災の事を考えているかというとそういうわけではありません。
私たちの日常はものすごいスピードで過ぎていき意味がわからないくらいです。雨が降るたびに季節が変わって、仕事に追われ、子育てに奮闘し、老後のことを気にしたりしてると、あっという間に一年が終わります。立ち止まっている暇なんかありません。必死です。
それでも、一年に一度、震災の日がやって来るたびに、思い出し、立ち止まって、色々なことを考えるのです。
一年に一度だけ、この時期だけでもいいと思うんです。思い出すこと。黙祷をし、心を傾けること。
明日、自分の大切な人が今日と同じように存在しているという保証はどこにもありません。
各地で震災から5周年の追悼を兼ねたイベントが開催されています。
清水駅前ではキャンドルライトが行われました。
うちの娘もイラストを描き参加させてもらいました。
「アイズ」に来ている子ども達も絵を描いて参加させてもらっています。
何のために絵を描くの?
と聞く子ども達に5年前に起きた震災の話をしました。
何度も言います。ごめんなさい。
一年に一度、震災の日がやって来るたびに、思い出し、立ち止まって、色々なことを考えます。
家族、仕事、生き方、本当にやりたいこと、会いたい人。
忙しい毎日をすごしていても当たり前の中に幸せは隠れています。
時間は与えられるものではなく自ら作るものです。
自分で作った時間というものはたった1時間でも貴重な貴重な時間になります。
たまに会える1時間でも
それが頑張って作った時間なら
たった1時間でも上手に上手に愛することができるようになると思うんです。
慌ただしく過ぎていく日々の中に
感謝する気持ちは忘れたくありません。
3/11は、わたしの母の誕生日です。
母は震災が起きてからは
自分の誕生日が来るたびにお祝いなんて…と思い複雑な気持ちになるようです。
だけど。
母がいるからわたしがいるわけであって
母がいるからわたしの子供たちがいるわけです。
命のバトンです。
震災で生き残れた方々の中には
今もなお、苦しんでいる方もいますが
命のバトンの大切さを充分感じているはずでしょう。
わたしは震災で失ったものも失った人もいません。
だけど1年に1回、この時期だけでも、忙しく動き回る足を止めて「今の自分の生き方」を見つめる時間をほんの少しだけ考えるきっかけにしたいと思うんです。
今よりも、ほんの少しだけ本当にやりたいことをやれたり、会いたい人に会いに行ったり…それが回りに回って誰かの為になるかもしれませんから。
息子が言った「自分を変えるきっかけ」にもなるかもしれません。
震災の記憶を活かすためにも。
最後に
震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
アイズ 事務 金原美水
もしかしたら、不謹慎な言葉があるかもしれません。お許しください。